(仮)三彩羅漢の謎
こりゃあ陶俑としては実に兵馬俑以来の傑作と言ってもいいんじゃないでしょうか~。
立ち上がれば2m近くにはなる大作で
ガチでシリアスな表情は羅漢像としてはむしろ異色。
海外では大美術館に常設で展示されているものが多くポピュラーな作品群ですが、
これだけ中国陶磁マニアも仏像マニアも多い日本なのに
なぜかあんまり知られていないんですよね。。
左から
①大英博物館
②ギメ美術館
③ネルソン=アトキンス美術館
④ペンシルバニア大学考古学人類学博物館
⑤、⑥2体とも
メトロポリタン美術館
⑦ロイヤル・オンタリオ博物館
⑧ボストン美術館
⑨セゾン現代美術館
⑩ベルリン東洋美術館(第二次世界大戦以降所在不明)
(以上の10体に加えてエルミタージュ美術館にも1体所蔵されているとの由(画像未見)。露国の美術館には第二次世界大戦の戦利品としてドイツから運ばれた文化財が今なお多数収蔵されているので、もしかすると⑩のことか?)
これだけの傑作でありながら孤立した作品群であるために制作の背景などは殆ど不明。。
一方では唐三彩に始まる多色釉陶俑の一つの到達点という
陶磁器としての側面と
もう一方では9世紀頃から広まった羅漢信仰に基づく最初期の羅漢像という
仏教美術としての側面の両面があるわけですが、
晩唐~北宋初期というのは、どちらの面からも分からないことが多いやっかいな時代。。
(7-8世紀の唐三彩なら、或いは12世紀以降の羅漢像なら多少は分かるんですけどね)
清朝崩壊直後に河北省の洞窟から運び出されたと伝えられていましたが、
なんと阿南・ヴァージニア・史代氏が実際にその洞窟を突き止めて訪ねていますd(-_☆) グッジョブ!!
http://www.peoplechina.com.cn/zhuanti/2009-11/09/content_228982.htm
(まとまんないけど続くよ!)
by brevgarydavis | 2012-11-25 23:13