松本竣介展

道ばたに転がってるドングリを発見して、おっ、秋だな~と軽く蹴っ飛ばしたら
...ワンコのう×ちでした(爆)。。
ひゃー!これでウンが付いたゾ❤...などと能天気に思えるはずもなく...
近年最悪の始まり方をした一日に世田谷美術館で開催されている松本竣介展に行って参りました。

半年以上まえから各地を巡回しているので既に行かれた方も多いでしょう。
 私も葉山で行こうと思っていたのが、仙台で見ればいいか...となり、
  仙台の時期には世田谷に来るからいいか...となり、
ようやく重い腰を上げた有様ですが、、

あぁー葉山も仙台も行くべきだった、と自分の腰の重さを後悔した
素晴らしい展覧会です。

竣介は明治45年の生まれ。
同じ年に生まれた有名人と言えば、双葉山や金日成、J.ポロック、佐藤忠良など。。
 その中でも一番早く亡くなったのですからずいぶん昔の人のはずですが、
忠良さんと一緒と言われると、あ、最近まで元気でいてもおかしくない人だったんだなと思います。
 生活を支え、多くの絵のモデルにもなった禎子夫人も亡くなったのは昨年のことです(享年99)。

b0283699_13563992.jpg竣介の生き方に大きな影を落としたと言われる
中途失聴と戦争。。
しかしそれらを絵の中にどう読み込むかは、
鑑賞者次第という気がします。

戦時中に生きた障害を持った人たちの
手記や述懐を読むと
日常的に非国民、穀潰し、役立たずと面罵され、
男性なら徴兵検査で受けた屈辱や
自分の無力さに対する忸怩たる思いを
今も忘れられないと語る言葉が
胸に刺さります。

竣介はそうした内面の苦悩については多くを
語っていませんが、
友人たちも次々と戦地に送られる中、
彼はどんな気持ちで絵を描き続けたのか。

「街にて」、116×91cm、1940年9月、下関市立美術館蔵

失聴のきっかけとなった脳脊髄膜炎の治療の時、最初はあまりの痛さに泣き叫んだ竣介ですが、
 「シュンのあの痛そうな声を聞くとかわいそうで」と
母が泣いていたという話を兄に聞いてからは決して声を上げることはなかったそうです。

そんな性格の彼の心中を誰が残された言葉だけから忖度できるでしょうか。。

聴覚の問題から平衡感覚が悪くいつも軽く左右に揺れながら歩いていたという竣介。
彼の中を通った風景がこんなにも透き通った青や白でキャンバスに定着した奇跡。
無心で絵と同じ空間で過ごしているだけで涙ぐんじゃって困りました。。(明らかに歳だな...)
久しぶりに心から満足できた展覧会。。

やっぱりウンコワンコのおかげかな?


大雪でも降ったら勤め先休んででもまた行きたい展覧会。。
雪で閑散とした砧公園の展示室で静かに彼の絵に再会できたらこんなに幸せなことはなさそうです。。

松本竣介展は世田谷美術館で1月14日まで、図録も上出来ですよ。 。
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by brevgarydavis | 2012-12-06 13:59