美術史の小窓 その6 ―本堂どこですか?―

寧波の阿育王寺に行ったときの事。。
私が大雄宝殿のまえの楠の大木に感動して写真パシャパシャとってると、
同行の一人が 「時間ないから早く本堂見に行きましょうよ」 って突っついてきました。

   ......( ̄▽ ̄;)!!ガーン......

   
まぁ確かに一般の人は大雄宝殿がいわゆる本堂のことだって知らないと思いますが...
   私の記憶が正しければ彼女は大学院で中国美術を専攻していたはず(爆)...

でも考えてみるとお寺の建物の名前っていろいろあってややこしいですよね。。
古代寺院の伽藍配置とかを別にすると、あんまり研究も解説もない感じ。。

で、ご本尊を安置した寺の中心になるお堂についてだけちょっと考えてみると、、

まず奈良なんかを中心にした古代からある寺院では金堂っていいますね。
これは古いお経には既述がなくて、『三国遺事』にしばしば出てくるので朝鮮半島から来た呼び名という説が有力みたいです。金ピカの仏像(金人)を祀ってるから金堂。。
禅宗寺院では仏殿。これは宋時代の中国から来た呼び名。。
黄檗宗では大雄宝殿(あるいは大雄殿)と言います。これは明時代の中国から来た呼び名。。
  (「ダイユウホウデン」って読んでもいいんですが、普通日本語の読み癖で「ダイオーホウデン」って
   読みます)
大雄ってのはサンスクリットのマハーヴィーラ(偉大な勇者)の訳でお釈迦様の別称です
 (本来はジャイナ教の開祖ヴァルダマーナの尊称として使われることが多い言葉)。
現在の中国や台湾、韓国のお寺ではたいていこれを使います。

平安~鎌倉時代くらいに日本で独自に発達した宗派では本堂と呼ぶのが普通。。大陸にはない呼び名だと思いますが、日本では禅宗や古代からある寺院でも後に本堂という名称になっちゃってる場合が多々あるようですね。
天台宗の由緒のあるお寺では中堂とか根本中堂を呼ばれますが、これは比叡山に最澄が建てた三つの建物の真ん中の建物だったかららしいです。

ほかに阿弥陀堂や薬師堂、観音堂など祀っている仏さまの尊名で呼ばれる場合もあります。


この程度のことはお寺や仏像のファンならなんとなーく知ってることですが、
 文献調べてきちんと語史的にお堂の名称を調査したような研究はないと思います。。
たとえば日本で最初に本堂って呼ばれた建物がどれだったのか、誰も知らないんじゃないかな~
退職後で閑な方など挑戦してみませんか?立派な研究になると思いますよ~o(^-^)o
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by brevgarydavis | 2012-12-30 20:48