みほとけの うつらまなこに いまうつるのは...

2,3日前、何気なくTVのチャンネルを回してると(←リモコンをジャグリングしてたって意味じゃないですよ、若者諸君!)
内田康夫さん原作の浅見光彦シリーズ「平城山を超えた女」を放送してました。
 (平城山は「ならやま」って読みます。奈良から京都に抜ける時に最初にある低丘陵地帯ですね)
普段この手の2時間ドラマはあんまり見ない私ですが、思わず見入っちゃいましたよ。。

仏像ファンの間では香薬師 盗難を扱ったミステリーとして有名な作品。
原作は面白いけど話が込み入ってるのであんまり映像化は向かないんじゃないかと思ってましたが
予想通りなんだかごちゃごちゃしてやや盛り上がり感に欠ける終わり方になってましたな...。

そんな訳もあってか、浅井光彦ものは各局で何度もドラマ化されてますが、「平城山を越えた女」は初めてみたい。。まぁ、中村俊介さんや遊井亮子さん(なんか年取ったら岡本信人さんに似て来ましたね...)のファンには面白かったんじゃないでしょうか。

香薬師(こうやくし)とは、かつて新薬師寺にあった白鳳様式の銅造薬師如来立像のニックネーム。

b0283699_17452584.jpg二尺半余りの小像ですが左の写真に見るとおり、とっても
可愛らしい楚々とした童顔のほとけさま。亀井勝一郎や
和辻哲郎が絶賛したことでも有名になりました。

しかしこの美しい仏さま、その尊顔をじかに拝したことがあるという方は現在ではほとんどいないはず。。
なにしろ今を遡ること70年前、外界では南洋の戦局が急速に悪化していた昭和18年3月21日未明に盗難に遭って以来、その行方は杳として知れないからです。
見たことがあるという人がいるとすれば、新薬師寺の小僧さんでもない限り90歳は超えていることでしょう(先日のドラマでは昭和38年に盗まれたという設定に変更されてました..将来再びドラマ化される時には平成×年に盗まれたなんてことになってるかもね)。。
私もこの像が好きだという人は知ってますが、実物を見たことがあるという人には一度も会ったことがありません。

明治時代にも2度盗まれてはお戻りになっているので、当初はまたすぐ見つかるのではという期待もあったようですが、ホトケの顔も三度までというべきかこんなセキュリティの悪い寺にはおられへんということなのか、なかなかお出ましになられないまま数十年が過ぎてしまいました。
外国に売られてしまったとか大阪の空襲で焼けたとか適当なこと言う人もいますけど、金銅仏は頑丈なので必ずやどこかで再び世を照らす時を待っておられるに違いありません!いいかげん犯人も寿命が尽きる頃だろうし出てきても良い頃合なんですけどねぇ...。

しかしTVでチラッと映った香薬師さんはヒドい出来だったな~発泡スチロールだって丸分りですわ..。
新薬師寺と鎌倉の東慶寺には盗まれる前にとった形から鋳造された像があって時々公開されますし
(国立博物館にもあるそうですが未確認)、小平の平櫛田中彫刻館には田中翁が模刻した像もあって
これもさすがに素晴らしい出来栄え。。展示される時にはこのブログでもなるべくお知らせしますよ!
(先日再訪してみたら旧宅の座敷に安置されてました...全然まえ見た記憶がない...)


えっ?!実はうちにもそっくりなのがある??それってもしかして昭和18年にあなたのお爺ちゃんが...
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by brevgarydavis | 2013-05-13 17:55