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祝落慶!!巣鴨さざえ堂でお年寄りも若者もくるくる昇天中!

以前このブログで大正大学が巣鴨にサザエ堂建ててます、ってのをお知らせしましたが、
無事予定通り竣工したということで紹介した行き掛かり上、偵察に行ってまいりましたよ。

正式名称は「すがも鴨台観音堂」
鴨台、というのは巣鴨あたりの高台を指す雅称で、本郷と言えば東大、三田と言えば慶応、というように大正大学の代名詞として雑誌や同窓会などの名称にしばしば使われている言葉です。

大正大は言うまでもなく仏教系の大学ですから観音堂を建てるのは良いとしても、なんでここにサザエ堂?っていうのが疑問だったんですけど、一種の地域貢献として、ということみたい。

巣鴨という地域、もともとは江戸のはずれの一農村でした。
それが村内に中仙道が通っていたことから、江戸が発展するにつれて茶屋や駕籠屋、あるいは植木屋や青果商などが街道筋に立ち並び賑わいを見せるようになります。
18世紀中頃になると、そうした中仙道沿いの町家は町方として町奉行所の支配下に入ることに。。
巣鴨村の中でもその区域だけは、いわゆる江戸八百八町の一つとなったわけです。
 (実際には当時江戸の町は1600以上にも増えてたそうですが...)

現在おばあちゃんの原宿として有名な「巣鴨地蔵通り商店街」 がまさにこの中仙道沿いの町方部分に当たります。
歴史好きの方には巣鴨駅から中仙道最初の宿場町である板橋駅(正確には宿場は駅のもうちょっと先)まで旧中山道(今は白山通りがバイパスとして機能しているため旧がつきます)を歩くというのがお薦めのプチ散歩コース。
ほぼ直線で2km余り、道の幅がなんとなく昔の街道っぽくて良い感じなんですよ。

見所の第一は巣鴨駅を出てすぐ、地蔵通り商店街の入口に位置する真性寺の大きなお地蔵さん(1714年造立)。いわゆる江戸六地蔵の一つとして有名ですが、現存する五体の中でも江戸の出入り口に祀られたという本来の姿を一番感じることができる良い環境にあります。
次の必見スポットはなんといっても巣鴨の代名詞、とげぬき地蔵の高岩寺。ただしこのお寺、実は明治24年に上野から引っ越してきたスガモ的には新参モノなんですよね。だけど刺抜きパワーはすごくて移転するとたちまち巣鴨一の人気スポットになったそうでございます。

で、次は...となると、何を隠そう巣鴨に来た人の99.9%はここら辺しか行かないのが現実。。
でも江戸時代には中山道を更に1kmほど進んだ庚申塚のあたりも賑わいを見せておりました。
中仙道の立場として江戸からの長旅や飛鳥山への行楽の際などに立ち寄る茶屋があったからです。
 (『江戸名所図会』にも登場しますね)
しかし言うまでもなくキョービ茶屋一軒で人を呼ぶことはできませぬ。

そこで登場したのが件のすがも鴨台観音堂なんです!!

以前は大正大学は旧中仙道に面していなかったんですが、近年南側の土地を買い増して庚申塚のすぐ先、地蔵通り商店街の西端に校地が接することとなりました。
せっかくだから地元になにか貢献できることはと考えたんでしょう、巣鴨駅周辺の観光客をもっと西に
回遊させるような新たな名所を創ったらどうよ?!ってなことで出した答えがサザエ...
 (なぜサザエだったのか私には未だに分りませんが、大正大も中々やるな..とは思いましたよ..)

このサザエ堂、できたばっかりだから当然ぴっかぴかでとっても綺麗。
でもそこが何だか物足りぬのう~新建材で明るく清潔に作られてるので2~3分もあればスルっと昇って降りて来れちゃう。。本来こういう珍妙な建物はちょっと異界感があって探検気分を味わえる位が魅力的なんでしょうけど、そうした感情に訴える部分は少ない感じ。。

正面から入るとまず目に飛びこんで来るのはガラスの中に安置された古そうな制多迦童子さん。
(とある仏具屋さんの寄託とか。不動明王の眷族だからイマイチここには合わない気もする…)。
それを横目に左回りに階段を昇っていくと途中の壁には梵字が。。メモしてこなかったので何の梵字か分からん…三十三観音かな~?数だけでも数えてくれば良かった(反省…)
頂上に着くと(更に階段は続くようですが立入禁止)千住博氏が描いた滝?の小さな三曲屏風を背にして2尺位の小さな素木造りの聖観音サマがお出迎えしてくれます。
松久宗琳佛所という所(有名?)の制作だそうです。

(昔学生だった頃に美術史の先生と話していて、某お寺に行ったら本尊が戦後に作られた仏様だったのであんまり面白くなかったと
言ったら、「あの仏像は戦後のものとしては屈指の傑作だよー」って返されて衝撃を受けた記憶があります…近代以降の仏像だから
と言ってバカにせずにちゃんと芸術作品としてマジメに見なければと反省したんですが、未だにどれも似たりよったりに見えちゃう…)


二重らせんなので下りは別階段でく~るくる。
その壁にも千住氏作のカラフルなパネルが嵌めてあります。でも屛風もパネルも小さいので千住氏の本領があまり発揮されない印象。。周りの敷地の塀にでも描いてもらった方が良かったような...。

                        (堂内は撮影禁止です)
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率直な印象としては地蔵通り商店街のお客さんをここまで引っ張ってくるにはパワー不足かな~。

再開発妄想のある私としては、なんとかこの旧中山道沿いが江戸情緒を味わえるような通りとして観光地化してくれると良いのに~と思ってるんですけどね...浅草の外国人観光客の皆さんが川越まで行かなくてもここら辺に回遊する位になると地域も潤うんじゃないでしょうか。
第一歩としてお年寄り向けに温泉かスーパー銭湯でも近くに造ってくんないかな...。

大正大学は初めて敷地内に入ったんですけど予想外にキレイな学校でしたよ。
礼拝堂の中には重文の阿弥陀如来坐像もあるんですが、大正大学出身の女の子に聞いたところでは在学生でもほとんど見れないとのこと。残念!!
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by brevgarydavis | 2013-05-19 23:49

みほとけの うつらまなこに いまうつるのは...

2,3日前、何気なくTVのチャンネルを回してると(←リモコンをジャグリングしてたって意味じゃないですよ、若者諸君!)
内田康夫さん原作の浅見光彦シリーズ「平城山を超えた女」を放送してました。
 (平城山は「ならやま」って読みます。奈良から京都に抜ける時に最初にある低丘陵地帯ですね)
普段この手の2時間ドラマはあんまり見ない私ですが、思わず見入っちゃいましたよ。。

仏像ファンの間では香薬師 盗難を扱ったミステリーとして有名な作品。
原作は面白いけど話が込み入ってるのであんまり映像化は向かないんじゃないかと思ってましたが
予想通りなんだかごちゃごちゃしてやや盛り上がり感に欠ける終わり方になってましたな...。

そんな訳もあってか、浅井光彦ものは各局で何度もドラマ化されてますが、「平城山を越えた女」は初めてみたい。。まぁ、中村俊介さんや遊井亮子さん(なんか年取ったら岡本信人さんに似て来ましたね...)のファンには面白かったんじゃないでしょうか。

香薬師(こうやくし)とは、かつて新薬師寺にあった白鳳様式の銅造薬師如来立像のニックネーム。

b0283699_17452584.jpg二尺半余りの小像ですが左の写真に見るとおり、とっても
可愛らしい楚々とした童顔のほとけさま。亀井勝一郎や
和辻哲郎が絶賛したことでも有名になりました。

しかしこの美しい仏さま、その尊顔をじかに拝したことがあるという方は現在ではほとんどいないはず。。
なにしろ今を遡ること70年前、外界では南洋の戦局が急速に悪化していた昭和18年3月21日未明に盗難に遭って以来、その行方は杳として知れないからです。
見たことがあるという人がいるとすれば、新薬師寺の小僧さんでもない限り90歳は超えていることでしょう(先日のドラマでは昭和38年に盗まれたという設定に変更されてました..将来再びドラマ化される時には平成×年に盗まれたなんてことになってるかもね)。。
私もこの像が好きだという人は知ってますが、実物を見たことがあるという人には一度も会ったことがありません。

明治時代にも2度盗まれてはお戻りになっているので、当初はまたすぐ見つかるのではという期待もあったようですが、ホトケの顔も三度までというべきかこんなセキュリティの悪い寺にはおられへんということなのか、なかなかお出ましになられないまま数十年が過ぎてしまいました。
外国に売られてしまったとか大阪の空襲で焼けたとか適当なこと言う人もいますけど、金銅仏は頑丈なので必ずやどこかで再び世を照らす時を待っておられるに違いありません!いいかげん犯人も寿命が尽きる頃だろうし出てきても良い頃合なんですけどねぇ...。

しかしTVでチラッと映った香薬師さんはヒドい出来だったな~発泡スチロールだって丸分りですわ..。
新薬師寺と鎌倉の東慶寺には盗まれる前にとった形から鋳造された像があって時々公開されますし
(国立博物館にもあるそうですが未確認)、小平の平櫛田中彫刻館には田中翁が模刻した像もあって
これもさすがに素晴らしい出来栄え。。展示される時にはこのブログでもなるべくお知らせしますよ!
(先日再訪してみたら旧宅の座敷に安置されてました...全然まえ見た記憶がない...)


えっ?!実はうちにもそっくりなのがある??それってもしかして昭和18年にあなたのお爺ちゃんが...
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by brevgarydavis | 2013-05-13 17:55

美術館業界にも来るかアベノミクス効果?!

蕪上がれ~!\(^_^)/!のパフォーマンスが効いたのか、日経平均急上昇中ですね!
1万5千円も間近かな?

アベノミクスが長期的に上手くいくかは未知数ですが、とりあえずは街の雰囲気も明るくなりましたし、
株価上昇による資産効果で宝飾品などの高額商品も売れ始めているとか。。
座して衰退するのを待つよりは、まずは何でもやってみるのは良いことなんじゃないでしょうか。
どの道、増税にせよインフレにせよ国庫破綻にせよ国民の資産を国の借金に移転しなきゃならないのは明らかですし、景気拡大による税収増でそれが賄えれば何より、たとえ失敗しても無資産家の私には被害も少なそうですしね...(おこぼれもないけどさ)。

税収が増えて公立の美術館にまで予算が廻ってくるのは遙か先でしょうが(借金や少子高齢化傾向を考えれば永遠に来ないかもね...(´ヘ`;)...)、企業系の美術館には速やかに効果が出そうです。

代表的なところでブリヂストンの株価を見てみると、、
今日の終値は3730円。なんと去年の平均のほぼ倍!!

ブリヂストン美術館と石橋美術館を運営する石橋財団はブリヂストン株の9.43%、7669万3千株を保有していますから、この1年で1400億円余から2860億円へ1400億円以上資産が増えたことになります。
配当を見ても、2011年までの数年間はリーマンショックもあって一株当り平均20円前後、2012年はようやく32円へと増配されましたが、今年はなんと予想配当54円です!
配当だけで41億円以上の収入が見込めることになります。

円安に振れてるのは欧米の作品を購入するにはマイナスですけど、アベノミクスが成功すればインフレ・円安傾向はまだ続くでしょうし失敗すれば更にインフレ・円安が進むでしょうから、政権交代でアベノミクスが終了したり他国が日本以上にコケたりしない限りは日本円は今のうちに評価の安定した海外の美術品なんかの資産に換えとくのがお得なはず。。
まぁ石橋財団は投資目的で絵を買ったりはしないと思いますが、館のリニューアルも一段落してますし配当分を使い切るのに躊躇する必要はないでしょう。

去年は32円の配当でカイユボットと岡鹿之助をゲットできましたから、今年はそれ以上に重要な作品を購入してくれるんじゃないかと勝手に期待してますよ!o(^o^)o ワクワク


そう言えば、ブリ美のテーマ展「PARIS,パリ,巴里―日本人が描く1900-1945」も中々楽しめましたよ。。
行ったの一ヶ月以上前ですから忘れかけてますけど、なんとか思い出して書いておくと、

満谷国四郎の「坐婦」は初めて知った作品。。国四郎好きの私としては大満足。
辻永の2作品が見られたのも良かった。
マチスの寄託作品「樹間の憩い」や藤島武二の「ヴェルサイユ風景」、佐伯祐三の「休息(鉄道工夫)」
なんかも実際に見るのは初めてじゃないかな~
 (最近の記憶力からすると過去に見てる可能性も少なくないですが...)
佐伯も優れた作品が6点も並ぶとさすがに素晴らしいですね。ユトリロの100倍良いわ~。
中でも最大の見所は浅井忠と和田英作がイーゼル並べて同じモデルを描いた「読書」でしょうか。
ってあれ...ホームページ見たら浅井作品、5月3日で東博に帰っちゃってるし...。
この規模のテーマ展で目玉の1作品だけ展示替する意味が分らん...。

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               辻永 「ハルピンの冬」、33×45cm、1917年、石橋美術館蔵

「PARIS,パリ,巴里―日本人が描く1900-1945」
は6月9日までゆっくり開催してますよ!!どうしてもとは言いませんが中位にお薦めです!!
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by brevgarydavis | 2013-05-07 20:39