美術史の小窓 その7 ”トーガエ・ロマエ”の巻
五島美術館のリニューアル記念展第4部、「時代の美―中国・朝鮮編―」に行ってきましたよ。。
ちょっと寒いけどうららかな昼下がりにのんびり骨董見学。こりゃ極楽ですね~。
で、陶磁器や紙モノは時々展示される作品で、気になってた点を確認するって感じでしたが、
見たことない中国金銅仏が展示されてたのにはビックリ!!

① 金銅仏坐像、h.29cm(光背除く)、北魏・和平5(464)年、五島美術館蔵
むむむ、五島にこんな優れた北魏仏があったとは<("0")>...青天の霹靂とはこのことです。。
驚いた理由の一つは、これととっても良く似たホトケさん達に以前から興味があったから...
(ノ・⊿・)つ



左から
②金銅如来坐像、h.40cm(光背含む)、北魏・太和元(477)年、台北故宮蔵(新田コレクション)
③金銅如来坐像、h.41cm(光背含む)、5c、台北駐日経済文化代表処蔵(新田コレクション)
④金銅如来坐像、h.28cm、北魏・延興3(473)年、チベット・ポタラ宮蔵
②、③の新田コレクションというのは台湾出身の新田棟一(1912-2006)という人が集めた金銅仏を中心とした大コレクションのこと。多くは台北の故宮博物院に寄贈されましたが、③は既に重文指定を受けていたため日本国外に搬出できず、白金の駐日代表処への寄贈となりました。
だれか一代記でも書いてくんないかな~って位の怪人物ですが、表向きの略伝は次のサイトを参照して下さい (「彭楷棟先生遺贈文物特展」)
また④の仏像の頭の青、顔の金泥はチベットの通例で後に塗られたものです。
この4体、像容から台座までそっくりな部分が多くサイズもほぼ同じで、時代・制作地がごく近いのは
一目瞭然ですよね (もっと大きい図を載せれば細部の共通点も分るんだけど...)。
特に注目して欲しいのはどれも左手で衣の端を握っているところ。。
昔②か③どっちかを見た時からずっと気になってたんです。。
こんな印相、仏像の解説にも出てこないし(阿閦如来には衣の端を持つポーズがありますがこれらが全部阿閦如来として作られたとはとても思えません)、そもそも衣を持たなきゃいけない理由が分からない(薬壺や水瓶だったら分かりますが...)。
でも別に北魏の坐像だけじゃなくてガンダーラや中国、日本の立像にもあるんです。
(ノ・⊿・)つ



左から
⑤仏陀立像(ガンダーラ出土)、h.109cm、2-3c、平山郁夫シルクロード美術館蔵
⑥如来立像(陝西省西安市出土)、h.170cm、6c後半(北周)、西安市文物保護研究所蔵
⑦薬師如来立像、h.42cm、8-9c?、聖衆来迎寺蔵
左手右手、順手逆手と持ち方は様々ですが、なんか意味ありげに服つかんでますよね。。
で、最近モノの本をパラパラめくっていたら、
ガンダーラ仏の衣を持つポーズはローマの皇帝像に由来する、って書いてあるのを見つけました。 はぁ~!!そっか!!日本の仏像の本にはあんまり書いてないと思うけど多分そっち系(ヘレニズム美術とか)の人には常識なんでしょうね!
ガンダーラ彫刻がヘレニズム文化の強い影響の下に成立したのは周知の事実でしょうが、仏像の施無畏与願印などもオリエントの女神像やローマの皇帝像のポーズを基にしたもので仏教的な意味は後付けなんだそうです (ノ゚⊿゚)ノ ヘェー!!
それじゃあと思ってローマの皇帝像を探してみると、、
あれ~?衣握ってる像なんてほとんどないよ~?
そもそもちゃんとした全身像自体あんまりない...頭部だけだったり手が欠けてたり...やっと見付けたのが左のルーヴルのやつ。。
⑧アウグストゥス像、h.1,96m、B.C.2-1c
でもトーガ(ローマの男性の正装ね)握ってるのは右手だし握り方も①~⑥とは随分違う(⑦には近いけど)。ホントにローマ皇帝の格好に由来するってことでいいのかな~でも専門家の云う事だからとりあえず信じることにしますか。。
昔の聖衆来迎寺のお坊さんの中にも「なんでうちのホトケさんころも握ってはるんやろ」て思ってた人もいたかも知れませんが、まさかモロ平たい顔したお薬師さんの決めポーズがこんな濃ゆい阿部寛顔のローマ人の真似だったとは想像もしなかったことでしょう!(最澄請来という銘文を持つ横蔵寺の仏像をはじめ、若王子、地蔵院、融念寺なんかにも似たポーズの像があります。でも①~⑥とは随分違うので又別起源の像容なのかも。難しいね~)。。
以上、風呂屋以外にも古代ローマと日本とは昔から地味ぃ~に繋がってたんですよ~って話でした。
オソマツm(_ _)m
(ちなみにトーガって日本人にはただ布きれ引っ掛けてるようにしか見えませんが、かっこイイ襞の付け方とかが難しくって専門の着付け奴隷が必要なほどだったとか。普通の人が着るには面倒すぎるため人気がなかったそうです)
テルマエ・ロマエ的?な仏様が見られる五島美術館の「時代の美―中国・朝鮮編―」は
3月31日迄開催中!!
ちょっと寒いけどうららかな昼下がりにのんびり骨董見学。こりゃ極楽ですね~。
で、陶磁器や紙モノは時々展示される作品で、気になってた点を確認するって感じでしたが、
見たことない中国金銅仏が展示されてたのにはビックリ!!

むむむ、五島にこんな優れた北魏仏があったとは<("0")>...青天の霹靂とはこのことです。。
驚いた理由の一つは、これととっても良く似たホトケさん達に以前から興味があったから...
(ノ・⊿・)つ



左から
②金銅如来坐像、h.40cm(光背含む)、北魏・太和元(477)年、台北故宮蔵(新田コレクション)
③金銅如来坐像、h.41cm(光背含む)、5c、台北駐日経済文化代表処蔵(新田コレクション)
④金銅如来坐像、h.28cm、北魏・延興3(473)年、チベット・ポタラ宮蔵
②、③の新田コレクションというのは台湾出身の新田棟一(1912-2006)という人が集めた金銅仏を中心とした大コレクションのこと。多くは台北の故宮博物院に寄贈されましたが、③は既に重文指定を受けていたため日本国外に搬出できず、白金の駐日代表処への寄贈となりました。
だれか一代記でも書いてくんないかな~って位の怪人物ですが、表向きの略伝は次のサイトを参照して下さい (「彭楷棟先生遺贈文物特展」)
また④の仏像の頭の青、顔の金泥はチベットの通例で後に塗られたものです。
この4体、像容から台座までそっくりな部分が多くサイズもほぼ同じで、時代・制作地がごく近いのは
一目瞭然ですよね (もっと大きい図を載せれば細部の共通点も分るんだけど...)。
特に注目して欲しいのはどれも左手で衣の端を握っているところ。。
昔②か③どっちかを見た時からずっと気になってたんです。。
こんな印相、仏像の解説にも出てこないし(阿閦如来には衣の端を持つポーズがありますがこれらが全部阿閦如来として作られたとはとても思えません)、そもそも衣を持たなきゃいけない理由が分からない(薬壺や水瓶だったら分かりますが...)。
でも別に北魏の坐像だけじゃなくてガンダーラや中国、日本の立像にもあるんです。
(ノ・⊿・)つ



左から
⑤仏陀立像(ガンダーラ出土)、h.109cm、2-3c、平山郁夫シルクロード美術館蔵
⑥如来立像(陝西省西安市出土)、h.170cm、6c後半(北周)、西安市文物保護研究所蔵
⑦薬師如来立像、h.42cm、8-9c?、聖衆来迎寺蔵
左手右手、順手逆手と持ち方は様々ですが、なんか意味ありげに服つかんでますよね。。
で、最近モノの本をパラパラめくっていたら、
ガンダーラ仏の衣を持つポーズはローマの皇帝像に由来する、って書いてあるのを見つけました。 はぁ~!!そっか!!日本の仏像の本にはあんまり書いてないと思うけど多分そっち系(ヘレニズム美術とか)の人には常識なんでしょうね!
ガンダーラ彫刻がヘレニズム文化の強い影響の下に成立したのは周知の事実でしょうが、仏像の施無畏与願印などもオリエントの女神像やローマの皇帝像のポーズを基にしたもので仏教的な意味は後付けなんだそうです (ノ゚⊿゚)ノ ヘェー!!
それじゃあと思ってローマの皇帝像を探してみると、、
あれ~?衣握ってる像なんてほとんどないよ~?そもそもちゃんとした全身像自体あんまりない...頭部だけだったり手が欠けてたり...やっと見付けたのが左のルーヴルのやつ。。
⑧アウグストゥス像、h.1,96m、B.C.2-1c
でもトーガ(ローマの男性の正装ね)握ってるのは右手だし握り方も①~⑥とは随分違う(⑦には近いけど)。ホントにローマ皇帝の格好に由来するってことでいいのかな~でも専門家の云う事だからとりあえず信じることにしますか。。
昔の聖衆来迎寺のお坊さんの中にも「なんでうちのホトケさんころも握ってはるんやろ」て思ってた人もいたかも知れませんが、まさかモロ平たい顔したお薬師さんの決めポーズがこんな濃ゆい阿部寛顔のローマ人の真似だったとは想像もしなかったことでしょう!(最澄請来という銘文を持つ横蔵寺の仏像をはじめ、若王子、地蔵院、融念寺なんかにも似たポーズの像があります。でも①~⑥とは随分違うので又別起源の像容なのかも。難しいね~)。。
以上、風呂屋以外にも古代ローマと日本とは昔から地味ぃ~に繋がってたんですよ~って話でした。
オソマツm(_ _)m
(ちなみにトーガって日本人にはただ布きれ引っ掛けてるようにしか見えませんが、かっこイイ襞の付け方とかが難しくって専門の着付け奴隷が必要なほどだったとか。普通の人が着るには面倒すぎるため人気がなかったそうです)
テルマエ・ロマエ的?な仏様が見られる五島美術館の「時代の美―中国・朝鮮編―」は
3月31日迄開催中!!
by brevgarydavis | 2013-02-25 22:33

